ヘアドネーションとは、医療用ウィッグに使う髪の毛を寄付することです。
小児がんや先天性の脱毛症、不慮の事故などで毛髪を失った18歳未満の子どもたちに、寄付された髪の毛で医療用ウィッグを製作して無償で提供されています。それがヘアドネーションと呼ばれています。
ナチュラル(株)では、ヘアドネーションには参加せず自社で実施もせず、創業以来ピンクリボン運動の認定NPO法人や会社名の由来である自然を守る非営利団体に毎月毎年、売り上げの中から寄付をさせていただいています。
また、ヘアドネーションに対しては、そういう運動が昔からあり、最近ではマスコミが取り上げ盛り上がってきていました。髪の毛を失ってしまった子供たちに無償で医療用ウィッグを提供するという素晴らしい事業はマスコミが取り上げやすいイベントでもあります。
実は、10年以上前、当社もヘアドネーションを検討したことがありましたが、社会貢献運動をしながら実は医療用ウィッグの会社が裏にあり、営業に利用している実態(そうではない団体もあるかもしれません)を知り、そんなステマみたいなことが本当の意味での社会貢献と言えるか不透明だったため、参加しておりません。
そんな中、最近、女性のお客様からお電話がありました。
「実は、腰くらいまで長く伸びた髪が重くて、カットしたいと思ったんです。でも、せっかく伸ばした髪をこのまま捨ててしまうのは、とてももったいない。と思うようになって、それで、ヘアドネーションに髪を寄付してみようと思い電話をしてみたの。そしたら、最近インスタやFBで有名人がヘアドネーションのことを取り上げるようになって、髪を寄付する人がとても多かったみたいなんです。「今、全国から送ってもらった髪がすごく多くて、倉庫に入らないくらいあるんです。仕分けもできないくらい多くて・・・実は困っているんです。かつらにするには何年後になるかわからない・・・」と、言われたんですよ。髪を使ってもらえないのなら、自分のウィッグを作っておこうと思っておたくに電話したんです。」
ヘアドネーションの実態は・・・
ちょっとびっくりしたのですが、実態はどうなのかとネットで調べてみました。
すると、ある団体(実態はかつらやさん)のサイトを見つけました。
そこには「髪の毛の寄付者 10万人以上 医療用ウィッグ提供数 数百名」とありました。※そのサイトが特定されないように数字は実際の数字をぼかして書いています。
医療用ウイッグは通常3人分の髪で1個できますから、約35,000名分の医療用かつらの髪があるけど、実際に子どもさんに渡したウィッグは1,000名分以下という状況になっていました。つまりお電話してこられたお客様がお話された状況が真実なのが伺えます。
なぜこんなことになるかというと、髪の毛を製品のかつらにするには、かつらを作る費用がかかるからです。医療用かつらを作るには多額の費用がかかります。医療用かつらを作るための費用が用意できていないという単純な理由で医療用かつらが準備できない。それで髪の毛が「倉庫に入りきれない状態」になっているのだと推測されます。
髪が集まってから、オーダーメイドかつらを作るには・・
- お子さんの頭の型を作ったり採寸したりする仕事の費用
- 外国のかつら工場でかつら作る費用←これが一番お高い
- 出来上がったウィッグをお子さんのお顔に合うようにカットスタイリングする仕事の費用
- 国内&国外の運賃や税金
①と③は一部の美容師さんが無償で働いてくれるところもあるようですが・・・一番お金のかかる海外のかつら工場に支払うお金を準備することが必要なのです。
お金の問題以外にもう一つの疑問が・・・・
あるヘアドネーションの運営サイトでは、1つのウィッグを作成するのに20~30人分の髪が必要と堂々書かれていますが、自毛で作るかつらを販売しているナチュラル(株)では、カットした髪が3回分(3人分)で1つの全かつらができるのですから、そこも?????と思ってしまいます。
ナチュラル(株)では、3回分のカットしたお客様の自毛(2~3年おきにカットして、3回分をためる)がたまったら、髪を本部に送っていただきます。それを工場に送って、短かい髪を梳いて捨てて、毛先が傷んでいる髪をの毛先だけカットしてして捨てて、ネットに縫い付けることのできる20㎝以上の髪だけを使って1つの全かつら(医療用ウィッグ)を作成します。ちなみに1回分しかない人の全かつらの作成は、不足する髪を工場のストックの髪で、できるだけ似た毛質のものを使って作成しています。
普通に考えてみてください。20~30人分!そんなに必要なはずないでしょう。
ただし、もしかしたら、ものすごく髪を厳選しているのかも知れません。
作成するのは18歳以下の子どもさんのウィッグですから、髪はできるだけストレートで健康なきれいな髪を原毛にして作るため、送ってもらったドネーションの髪の中で、ヘアカラーやパーマなどで、傷んでいる髪や癖が強い髪は全部捨てているかも知れません。そうだったら、9割捨てていることになります。
もしくは、使わない髪を髪市場(工場が買いに来る市場)に売って、その代金で工場へはらう代金を捻出しているかも知れません。そうだったら、20~30人分の意味は、なんとか納得します。ドネーションで送った人が知らないうちに、世界のどこかのだれかのウィッグの髪になっているかもしれません。
お客様がおっしゃるように、せっかく善意で送った髪が、ただのお荷物になっていたり、捨てられるのは、確かに嫌ですね。しかし髪を送るなら、お金も送ってくださいというのが、本音でしょう。もちろん髪の寄付と一緒にお金を寄付するのもひとつの案ではありますが・・
・・・・「長く伸びた髪は、自分の将来のために使う。」それもひとつの選択肢です。少しくらい傷んでいても癖があっても作成できます。自分の髪で作るウィッグは、世界一、自分に似合うウィッグが完成します。ナチュラル株式会社は「地毛でウィッグを作る」プロフェショナルです。
自毛で(地毛)で作るかつら・ウィッグ・ヘアピースの詳細はこちら
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